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平和メッセージ2010

 

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平和メッセージ2010

日本基督教団 総会議長 山北宣久   在日大韓基督教会 総会長 崔栄信
韓国併合100年
今年2010年は、日本が武力をもって強制的に韓国を併合した「韓国併合」から100年目にあたります。
「韓国併合」は、天皇制を基軸とした日本の帝国主義的な野望を現実化させ、さらには「日帝支配36年」と言われる過酷な植民地支配の起点となる出来事です。強制併合と植民地支配のもとで、朝鮮半島では財産、資源、労働力の収奪が行われ、また言葉や名前、民族の自尊心、信仰の自由までが奪われました。さらに一部の人々は、植民地支配によって引き起こされた生活の困窮によって日本への渡航を余儀なくされ、さらに1939年から実施された強制連行によって、在日韓国・朝鮮人の迫害と抑圧の歴史がつくられていきました。
私たちは、1910年の「韓国併合」による深い傷、そして今日にいたるまで続いている人々の長い痛みを、決して忘れてはなりません。
朝鮮戦争60年
今年2010年は、朝鮮戦争が起きてから60年目にあたります。
1950年、成立したばかりの大韓民国(韓国)と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の間で、朝鮮半島の主権を巡って戦争が起きました。全土が戦場となり、荒廃した朝鮮半島は開戦前と同様に南北二国に分断された状態のままとなりました。停戦状態が続いているものの、随時、武力衝突が発生するなどしており、今日においても軍事的緊張状態が続いています。家族が引き裂かれ、同じ民族が血を流し合うという悲劇が、日本による「併合」と植民地支配に端を発する歴史的状況の中で引き起こされたということを、また、この民族的悲劇による経済的特需を日本は戦後復興の糧としたことを、私たちは決して忘れてはなりません。
入管法・指紋押捺問題
「テロ」の未然防止を目的とした「入管法」(出入国管理及び難民認定法)が改定され、実施されるようになりました。その内容は、日本に入国・再入国する16歳以上の一般永住者(特別永住者や外交官などを除く)に指紋と顔画像の登録を強要するというものです。
さらに政府は2009年7月の国会にて入管法、入管特例法、住民基本台帳法の改定(2012年施行予定)を決議しました。これは62年にわたって続いてきた外登法を廃止し、新しい「在留カード」制度によってこれまで以上に定住外国人の管理を徹底化しようとするものです。この制度の中ですべての在日外国人は、安価で有用な労働力か、あるいは排除・退去の対象とされるべき非正規滞在者か、という単純で非人権的なものさしで測られることになります。
主イエスの十字架の意味を思いつつ、キリストに従うことを告白する私たちは、「隔ての壁・指紋押捺」を再び強制させるこの入管法改定、および在留カード制度による定住外国人の管理徹底化に反対することを表明いたします。
私たちは、多くの人が行き来する世界にあって、また、多くの外国人が地域の住民となりつつある日本社会にあって実現されるべきは、多民族・多文化の共生社会であると確信しています。そして、そのような社会の実現のために必要なものは、指紋押捺でなく、日本人と在日外国人を隔てる壁を崩していくことであると信じています。
「実に、キリストはわたしたちの平和であります。二つのものを一つにし、御自分の肉において敵意という隔ての壁を取り壊し、規則と戒律ずくめの律法を廃棄されました。こうしてキリストは、双方を御自分において一人の新しい人に造り上げて平和を実現し、十字架を通して、両者を一つの体として神と和解させ、十字架によって敵意を滅ぼされました。」(エフェソの信徒への手紙2章14~16節)
日本基督教団と在日大韓基督教会は、韓国併合100年と朝鮮戦争60年の節目の年にあたり、次のことを真摯に祈り求めつつ、共同の歩みを重ねていくことを表明いたします。
・ 日本による韓国併合のなかで行われたすべての不法が明らかにされ、その責任の所在が明確化されること。
・ 植民地支配の中で奪われ、傷つけられたすべての人々に対する補償が行われ、その人権が回復されること。
・ かつて朝鮮戦争の勃発に間接的に関与し、その戦争特需によって利益を得た日本という国の責任において、朝鮮半島の和解と統一が一日も早く成し遂げられるための努力がなされること。
・ 外国人を管理・排除の対象と見なす「入管法」が再び改正されること。
・ 定住外国人たちが安心してこの地に根を下ろすことができる社会を形づくる「外国人住民基本法案」が制定されること。
「愛国心」というスローガンのもと、新たなナショナリズムの風がそよぎ始めているこの日本の地で、これらの課題が成し遂げられることを、私たちは心から主に祈り求め、歩みます。なぜなら、その祈りと歩みこそ、義と平和の主によってこの日本の地に遣わされた私たちキリスト者の使命であり、私たちが住む国の平和の柱を形づくるわざであると信じるからです。
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