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2017年/第31回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会宣言

 

2017年/第31回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会宣言

2017年1月26日から27日にかけて、「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は、第31回全国協議会を大阪・在日韓国基督教会館(KCC)にて開催しました。「多民族・多文化共生の天幕をひろげよう――ヘイトスピーチ解消法と外国人住民基本法」という主題のもとに、各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体の代表者ら45名が参加し、1980年代の指紋押捺拒否に始まる31年間の運動の到達点を確認しました。協議会では、熊本地震における教会の取り組み、カトリック大阪大司教区における外国人住民支援の働き、外国人住民施策に関する自治体交渉の結果について共有しました。また、国際人権法の視点から見たマイノリティの女性に対する複合差別の現実とそれに対する取り組みの必要性について学び、さらに在日コリアンに対するヘイトスピーチの現状とこれからの課題について確認しました。そしてキリスト者が担うべき、共生社会の実現の使命について聖書から聞きました。

現在、世界中で難民・移民の受け入れが大きな課題となっています。そして日本社会においても、すでに様々な文化を背景とする人びとが地域住民の一人として生きて働いており、それぞれがかけがえのない役割を担っています。こうした現実を受け入れることなく、マイノリティへの憎悪をまき散らすこと、そしてそれを黙認してしまうことは、日本社会そのものを歪め、破壊することでもあります。しかし近年、日本社会における排外主義の高まりは著しく、弱者を保護すること、多様性を保持することの意義が顧みられなくなっています。マイノリティに対する憎悪をまき散らすヘイトスピーチは、いまだに繰り返されています。とりわけマイノリティの女性は、複合的な差別による攻撃にさらされており、人としての尊厳を傷つけられ、日々を生きる力すら奪われ続けている人びとがいます。このような現状を変えたいと思いを同じくする人々の努力によって、2016年にはついに「ヘイトスピーチ解消法」が成立しました。この法律は日本における最初の人種差別反対法となりましたが、具体的な禁止事項を規定しない理念法に留まるなど不充分な点が多く、この法律を実際に意味あるものとするためには、さらなる法改正、法整備が必要です。さらにわたしたちは、成立した解消法を手がかりとして、地方自治体に対して人種差別撤廃基本条例の制定、多民族・多文化共生都市宣言などを働きかけてゆかなければなりません。

日本政府は現在、2020年に向けて「人権大国・日本の構築」を目指すことを打ち出し、そのための施策を進めています。しかし実際は、日本が締結している様々な国際人権条約が締約国の義務としている事柄の実施について致命的に遅れていると言わざるを得ません。地域に生きる一人一人が一人の人間として尊重され、それぞれの文化を分かち合う制度が整えられてこそ、すべての人の人権が守られる社会が実現します。そのような社会の実現を目指して、私たちは「外国人住民基本法」の制定を引き続き求めてゆきます。

2015年11月に世界のキリスト教会の協力によって東京において開催された第3回「マイノリティ問題と宣教」国際会議の共同声明を踏まえて、2017年4月「マイノリティ宣教センター」が設立されます。わたしたちは、日本におけるキリスト教会の使命として、社会の中のマイノリティの声を聞き、共に歩み、人種主義と闘う世界的なエキュメニカル・ネットワークを作ることに積極的に参加してゆきます。

現在日本では、過去の戦争と植民地支配の歴史的事実を否定する流れが作られようとしています。しかし、歴史に真摯に向き合わないでいるならば、それは再び戦争へと向かう道となることをわたしたちは知っています。過去の事実と向き合うからこそ、和解と共生の平和を求めて、世界の国々と対話し協力し合う努力を続けることが出来るのです。

わたしたちは今日、カトリック大阪梅田教会において「第31回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者集会」を開催しました。

わたしたちはキリスト者として、この世界で和解と共生の平和を求めていくことを、主なる神から託された福音宣教の使命として取り組んでいくことを決意します。

2017年1月28日

第31回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会 参加者一同

外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会

 

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