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第32回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会宣言

 

第32回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会宣言

「外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会」(外キ協)は、2018年2月1日から2日にかけて第32回全国協議会を札幌・北海道クリスチャンセンターにて開催しました。「アイヌモシリ(人間の静かな大地)から多民族・多文化共生の天幕をひろげよう」という主題のもとに、各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体、韓国NCCの代表者ら51名が参加し、共生社会実現のための課題とこれからの取り組みについて協議しました。

協議会では、北海道におけるアイヌをはじめとするマイノリティ差別の歴史とそれに対する取り組みについて、また近年、急増している外国人技能実習生の現状について学びました。日本における外国人住民に対する差別の現状、「多民族・多文化」化するカトリック教会での取り組み、外国人住民施策に関する自治体交渉報告、ヘイトスピーチ・人種差別禁止の立法化への取り組みと残された課題、札幌での人種差別撤廃条例への取り組みについて共有されました。そして、キリスト者が担うべき、共生社会の実現の使命について聖書から聞き、日本・韓国・在日教会の共同の課題について共有すると共に、2017年4月に設立されたマイノリティ宣教センターの働きについて報告されました。

日本社会には、先住民、様々な文化を背景とする人々、外国にルーツを持つ人々が、地域をつくる住民の一人として生きて働いており、そうした人々無しに地域社会は存在しえません。にもかかわらず、マイノリティへの差別と嫌悪は、日本社会の中にいまだ根強く残り続けています。

先住民や外国人をはじめとするマイノリティへの差別は、命の尊厳を否定し、抑圧によって支配してきた歴史と結びついています。これらの差別を乗り越えていくためには、過去の植民地主義の歴史に向き合い、それが大きな過ちであったことを明確にすることが不可欠です。しかし2018年を迎え、「北海道150年」「明治150年」が掲げられ、過去の戦争と植民地支配の歴史を否定する流れが作られようとしています。歴史に真摯に向き合わないことが、尊厳と命を奪う戦争へとつながることをわたしたちは知っています。

日本政府は2020年に向けて「人権大国・日本の構築」を目指す施策を進めるとしていますが、様々な国際人権条約が義務としている事柄の実施について、世界的に見ても致命的に遅れているのが現状です。差別が明確に禁止され、地域に生きる住民すべてが一人の人間として尊重され、それぞれの文化を分かち合う制度が整えられてこそ、人権が守られる多文化共生社会が実現します。

理念法に留まっているヘイトスピーチ解消法を実質的なものにし、差別を禁止してゆくためには、地方自治体に対して人種差別撤廃基本条例の制定、多民族・多文化共生都市宣言などを働きかけてゆくことが必要です。これらの取り組みを通して、わたしたちは「外国人住民基本法」と「人種差別撤廃基本法」の制定を求めてゆきます。

すべての人の命と尊厳が守られる神の正義と平和を実現することは、すべてのキリスト者に託された使命です。それは世界のキリスト教会との協働を通して実現されます。この使命の実現のために、わたしたちは社会の中のマイノリティの声を聞き、共に歩み、差別と闘う世界的なエキュメニカル・ネットワークを作ることに積極的に参加してゆきます。

わたしたちは今日、日本聖公会札幌キリスト教会において「第32回『外国人住民基本法』の制定を求める全国キリスト者集会」を開催しました。わたしたちは、過去の差別の歴史を憶えることでこそ、世界の分断を乗り越え、未来に向かって真の共生社会を実現できる事を、分かち合いました。正義と平和を福音宣教の使命として未来に向かって歩み続けることを決意します。

2018年2月2日

第32回「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者集会 参加者一同

外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト教連絡協議会

 

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