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「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者1・13集会宣言(案)

 

〈外キ協結成20年〉
2007年/第21回
「外国人住民基本法」の制定を求める全国キリスト者1・13集会宣言(案)

2007年1月11~12日、外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会(外キ協)は、東京・在日本韓国YMCAにおいて、《いま問われている私たちの宣教課題》の主題のもと、韓国基督教教会協議会、韓国教会在日同胞人権宣教協議会をはじめ、各地外キ連および外キ協加盟各教派・団体の代侮メが結集して、第21回全国協議会を開催した。続いて今日13日には、四谷・幼きイエス会ニコラバレにおいて《「共生」と「平和」へのメッセージ》と題し、全国キリスト者集会を開催した。

私たちが在日韓国・朝鮮人の人権確立のために指紋拒否闘争を担い連帯する中で、外国人登録法(外登法)の抜本的改正に取り組んで以来、外キ協は今年、結成20周年を迎えた。2000年にはその成果として指紋押捺制度の全廃を勝ち得たが、今また日本政府は、出入国管理及び難民認定法(入管法)を改悪し、人権を無視した新たな外国人管理政策に乗り出し始めている。
昨年(2006年)は小泉内閣に代わり、新しく安倍内閣が組閣され、偏狭なナショナリズムに基づいた保守反動の潮流がますます加速されつつある。昨年12月、多くの人びとが反対を楓セしていた教育基本法改悪案が強行採決されてしまった。この背後には、日本を強力な軍事力を備えた国家とすべく、それに従順な国民づくりが目論まれていることは間違いない。日本の歴史教科書の歪曲化は進むことになり、また外国籍・日本籍の民族的マイノリティの子どもたちの教育の権利がいっそう侵害されることになる。さらに、平和憲法に対しても改悪の動きが加速されており、こうしたことを許すことになれば、私たちが願ってきた東アジアの平和は著しく脅かされることになり、東アジアの不安定要素が一挙に増大することは必至である。私たちは人権に、国境という枷をはめない。それゆえ、憲法前文に掲げられている「平和的生存権」を、外国籍住民の基本的権利にも関わるものとして理解する。憲法改悪を許してはならない。
湾岸戦争以来、米国が単独覇権を唱えた動きは、9・11事件で「反テロ戦争」として火に油を注ぐことになったが、そこにはマジョリティが自らの安全を脅かされているとの認識に立ったマイノリティへの恐怖感が見え隠れしている。そこから生まれた、外国人から指紋をとる「US-VISIT」をはじめとするマイノリティの監視と抑圧政策は、いま日本にも押し寄せて来た。昨年5月、日本に入国・再入国する16歳以上の外国人(外交官や特別永住者を除く)から指紋と顔写真を登録させる改悪入管法が成立した。さらに日本政府は、外登法改悪も企てている。これらの動きに対し、私たちは全力を尽くして「否!」と主張する。
私たちは「外国人住民基本法」を掲げ、多民族・多文化共生社会を提唱してきたが、そのめざす社会は、マイノリティの民族的・文化的アイデンティティを尊重し、差別を否定する共生社会である。それは、石原東京都知事が近隣諸国の人たちへの差別発言をもって煽っている「治安の悪化」「テロの恐怖」の原因を外国人に押し付けるような動きとは正反対の方向である。
経済グローバリズムに起因する、国境を越えてきた移住者の増加によって生じている人権侵害は、深刻である。200万人を越えた外国人住民との共生は、今や目の前の課題である。多国籍化、多民族化している社会の現実と真摯に向き合い、誠実に問題を解決する努力をしなければならない。オーバーステイの外国人を摘発したり、難民瑞ソ者の強制退去を繰り返すさまは、日本の排外主義、自国中心主義の姿そのものである。日本は国際人権機関の「懸念」や「勧告」に対して誠実に応えていく責任がある。
昨年、私たちは朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の地下核実験の報に接した。非戦・非核を標榜する私たちにとって、これは強烈な一撃であったが、私たちはいかなる国の核実験にも反対する。今や膠着状態に陥っている「日本人拉致問題」の見えない背後には、かつて軍靴で踏みにじったアジアの国々に対していまだに戦後責任を果たしていない日本の悔い改めのない姿が横たわっていることを、私たちは覚える。日本軍「慰安婦」問題、「強制連行・強制労働」問題、歴史認識の共有作業など、解決へ向けた歩みが遅々として進まないのは誰の責任なのであろうか。拉致被害者の家族にとっては苦痛と悲しみだけがもたらされているが、いま必要なのは経済制裁・軍事制裁による圧力ではなく、過去の清算を誠実に履行しながら、粘り強く交渉を続けていくことこそが、問題を打開していく道なのである。
韓国ではすでに2001年、国内人権機関を作り、また2006年には「居住外国人支援指針」「居住外国人モデル条例案」を各自治体に示し、「在韓外国人基本法案」を国会に提出した。そして2006年5月には、韓国に住む19歳以上の永住外国人が地方選挙において初めて一票を投じた。
私たちは、国際人権法に基づいて作成した「外国人住民基本法」の制定を求める活動の重要さを強く認識する。この制定運動は、私たちにとって国家を超えて国籍を天に持つキリスト者(フィリピの信徒への手紙3章)が、神から生命を授かったすべての人間の尊厳を守っていく務めである。
ここに集まった国籍、民族、文化の異なった私たち一人ひとりが、祈りを合わせ、力を合わせて「外国人住民基本法」の実現のために、2007年も努力することを約束する。
私たちの活動の上に、主なる神からの知恵が豊かに与えられ、実現のための闘いに勇気が与えられんことを。

〈政府および関係諸機関への要求項目〉
1.政府および国会は、外国人住民の包括的な人権保障のため、「外国人住民基本法」を制定すること。
2.東アジアの和解と平和を実現し、アジア全体ひいては世界の平和に貢献するために「平和憲法」を遵守すること。
3.在日韓国・朝鮮人など旧植民地出身者とその子孫に対して、日本の歴史責任を明記し、民族的マイノリティとしての地位と権利を保障する「在日基本法」を制定すること。
4.国際人権法に基づく「人種差別撤廃法」を制定すると共に、政府行政機関から独立した「人権委員会」を創設すること。また「すべての移住労働者とその家族の権利保護条約」をすみやかに批准し、外国人指紋・顔写真登録制度の実施を中止すること。
5.「外国人雇用状況報告制度」や「外国人IC在留カード」の導入計画を中止し、超過滞在者への在留資格付与など、入管法の抜本的改正を行うこと。
6.地方自治体は、在留資格の有無や違いにかかわらず、外国人住民の生活権を保障すると共に、外国人住民の住民自治・地方自治参画を積極的に推進すること。また、人種差別禁止条例、多民族・多文化教育指針を作成し、実施すること。
7.国会は、「戦時性的強制被害者問題解決促進法」「恒久平和調査局設置法」をすみやかに制定すること。
8.政府は、日朝国交正常化交渉を粘り強く進め、「拉致問題」を解決し、歴史の真の清算と和解に導く日朝条約を締結すること。

〈私たちの取り組み〉
1.「外国人住民基本法」制定を求める署名運動を一層推し進める。
2.教会内で外キ協活動が理解され協力が得られるよう、各地外キ連、諸教派組織を積極的に生かしてVTR上映会や学習会・研修会などの機会を拡げていく。
3.日・韓・在日教会ブックレットの刊行と活用、韓国教会「在日同胞苦難の現場訪問」の実施、多民族・多文化共生をめざすキリスト者青年プログラムを推進していく。

2007年1月13日

第21回外国人住民基本法の制定を求める全国キリスト者集会 参加者一同
外登法問題と取り組む全国キリスト教連絡協議会
外登法問題と取り組む関西キリスト教代侮メ会議
外国人登録法問題と取り組む北海道キリスト教連絡協議会
外登法の抜本的改正を求める関東キリスト者連絡会
外登法の抜本的改正を求める神奈川キリスト者連絡会
外登法問題と取り組む中部キリスト教連絡協議会
外登法問題ととりくむ関西キリスト教連絡協議会
外国人登録法問題と取り組む広島キリスト者連絡協議会
外登法の抜本的改正を求める九州・山口キリスト者連絡協議会

 

 

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