日本政府は2026年5月29日、在留資格変更許可、在留期間更新許可及び永住許可等に係る手数料の上限額を大幅に引き上げることなどを内容とする改定入管難民法を国会で成立させました。
改定入管難民法では、在留資格変更及び在留期間更新に係る手数料の上限額を現行の1万円から10万円へ、永住許可については30万円へと引き上げることを可能にするものであり、日本で生活する外国籍住民とその家族に大きな影響を与えることが懸念されています。
私たち在日大韓基督教会は、日本による朝鮮半島植民地支配の歴史の中で生み出された在日コリアン共同体と共に歩んできた教会です。植民地支配は、多くの朝鮮人を日本へ移住させ、戦後においても在日コリアンは国籍の喪失、社会保障や公務就任における制限、指紋押捺制度をはじめとする管理と排除の対象とされてきました。
私たちは、その歴史を単なる過去の出来事としてではなく、今日の日本社会における外国人政策や社会意識にも影響を及ぼし続ける課題として受け止めています。
そのような歴史を有する日本社会において、外国籍住民に対する監視や管理の強化、負担の増大を当然視する政策が進められることに、私たちは深い危惧を覚えます。外国人を社会の構成員ではなく管理の対象として捉える発想は、共生への道ではなく排除への道を開くからです。
近年、日本の外国人政策は、永住資格取消制度の導入、収容・送還制度の強化、難民認定制度の厳格化など、管理と排除を重視する方向へ傾斜しているように見受けられます。今回の法改定もまた、その延長線上に位置づけられるものではないかという懸念を拭うことができません。
しかし、聖書が証しする神は、弱い立場に置かれた人々の叫びを聞かれる神です。旧約聖書は繰り返し寄留者と共に生きることを命じ、新約聖書において主イエス・キリストは社会の周縁に置かれた人々と共に立たれました。
世界教会協議会(WCC)やアジア・キリスト教協議会(CCA)、日本キリスト教協議会(NCC)をはじめとするエキュメニカル運動は、人間の尊厳と人権の擁護を福音の本質的な課題として受け止めてきました。私たちもまた、その信仰的伝統に立ち、国籍や民族、在留資格によって人の価値が区別されることのない社会を求めます。
教会の使命は、国家や社会の政策を無批判に追認することではなく、神の正義と平和の視点から現実を問い直し、声を奪われた人々と共に立つことにあります。とりわけ、改定法によって直接影響を受ける外国籍住民の多くは、政治的意思決定の過程に十分参加することのできない立場に置かれています。だからこそ私たちは、その声なき声に耳を傾けさせなければなりません。
在日大韓基督教会は、改定入管難民法が外国籍住民に過度な負担を課し、多文化共生社会の形成を後退させるおそれがあることに強い懸念を表明します。そして政府及び国会に対し、外国籍住民を管理の対象としてではなく、共に社会を形成する隣人として尊重し、その権利と尊厳を保障する政策への転換を求めます。
私たちは、植民地主義と差別の歴史を記憶し続ける教会として、また福音に生きるキリスト者共同体として、すべての人が神のかたちに創造された存在であるとの信仰に立ち、人種・民族・国籍を超えて共に生きる社会の実現のために祈り、行動し続けます。
2026年6月3日
在日大韓基督教会
総 会 長 張 慶
社会委員長 申 容 燮