青年会全国協議会
張晶洙(全協副代表)
◆「生きづらさ」
日々を生きる誰もが、「生きづらさ」を感じているのではないでしょうか。現に「ヘイトスピーチ」のような直接的な暴力があります。しかし、実際に多くの人がどのように感じて、考えているのかわからないという問題があります。
震災や放射能のことで苦しむ人々、どんどん深刻になる貧困やますます拡がる格差、命がけで国を逃れる人がいる一方、その人たちを入れるなと叫ぶ人たち。いろいろな問題がこの世界にはたくさんあるけれど、何をどうしたらいいのかわからない、そんな自分がいます。日々、「なんだか人生を生きていない」…そうつぶやく心の声、自分にとって深刻な痛み、辛さが、ほかの人にとって「大事なこと」にならない。そういう「生きづらさ」を、私をはじめ、多くの青年が、いま感じています。
青年会全国協議会(全協)は、礼拝や賛美を通じて、共にクリスチャンとしての生き方や人生の悩みを打ち明け、葛藤を共有できる仲間が得られることを願って、全国の教会青年に参加を呼びかけています。未来の在日大韓基督教会を担う青年の育成とともに、他の場所では作れない「信仰の仲間」をつくろうと。全協のプログラムを通じて「楽しさ」だけではない、悩みや苦しみを共有するなかで、ほんとうの「希望」や、「弱さ」のなかにこそ現れる「強さ」を学びました。
◆出会い、学び、表現する
全協は、大きなプログラムを年間二つ開催しています。
2月に開催される「青年のための研修会」は、初めて参加する人が多いプログラムです。自己紹介から始まり、自分の生い立ち、信仰観など、深い話ができる実りのある時間を過ごします。
8月に行われる3泊4日の濃密な旅「夏の修養会」は、思いっきり身体を動かすスポーツ大会、礼拝と賛美、聖書ワークショップを通じて、自分の思いや仲間の言葉、聖書の言葉に耳を傾けます。また、ヘイトスピーチなどの「いま」を生きる青年にとっての切実な問題をとりあげ、学ぶ機会を作ります。そこでの講師の方々の言葉や、仲間と交わす言葉、そして自分のなかにある悩みや苦しみを重ねることは、ただの勉強とは違うものをもたらします。メインイベントでは、参加者が少人数の分団に分かれ、3日間で学び感じたことを短い劇にして発表します。深いテーマを、ユーモラスで等身大の表現を通して、個性あふれる寸劇を披露しあうことを通して、学んだことを再確認します。
この二つのイベントに参加した青年は、口をそろえてこう言います。「来年も絶対に参加する!」と。
◆「いまを生きる」青年として
全協の活動は、私たちの努力だけで成り立つものではありません。在日大韓基督教会に集うすべてのみなさまに支えられていることを覚えつつ、悩み、痛む、「いまを生きる」青年として、イエスの言葉に励まされながら、また一歩を進めていきたいと思います。
「疲れた者、重荷を負う者は、だれでもわたしのもとに来なさい。休ませてあげよう。わたしは柔和で謙遜な者だから、わたしの軛を負い、わたしに学びなさい。そうすれば、あなたがたは安らぎを得られる。わたしの軛は負いやすく、わたしの荷は軽いからである。」(マタイ11:28〜30)