<外国人犠牲者の把握難航=大震災で23人死亡-さらに増える可能性も>
未曽有の被害をもたらした東日本大震災では、発生から1カ月半がたった今も外国人犠牲者の全容を把握し切れずにいる。警察庁によると、1万4000人を超える死者のうち、身元が確認された外国人は23人。ただ、身元が分かっていない遺体も多く、行方不明者の数も関係当局の間で大きな開きがあるのが実態だ。
死亡者の国籍は、韓国・朝鮮10人、中国8人、米国2人、カナダ、パキスタン、フィリピン各1人。発見場所は宮城県が最も多く14人、岩手県が5人、福島県と茨城県がそれぞれ2人だった。
犠牲者はさらに増えるとの見方もある。入国管理局関係者は「外国人全体の不明者は約50人」と指摘。中国の駐日大使館は、中国人約40人が行方不明としており、外務省を通じて警察に名簿を提出し、確認を急いでいる。韓国も「滞在人口を考えると不明者がまだいてもおかしくない」(駐仙台総領事館)とみる。宮城県警の相談窓口には、少なくとも100人以上の外国人について、安否確認の相談が寄せられている。
(時事通信2011年4月25日)