「改定入管法」施行に抗議する集会 開催
管理強化にNO !
日本で暮らす外国人の「在留管理制度」が去る7月9日から一新された。60年続いてきた自治体発行の外国人登録証明書(外登証)が廃止され、国が発給する「在留カ-ド」へ切り替えた。国が外国人住民の情報を一元的に管理監視する「改定入管法」に対する抗議集会が7月8日(主)在日大韓・小倉教会(西南KCC)で開かれた。在日・日教会、留学生(中国、ベトナム、韓国)45名が参加。諸団体からの実行委員会で主催。講演会後小倉駅までデモ行進し「共に生きる社会」を訴えた。
講師の崔聖植(チェソンシク)さん(国際行政書士・北九州出身、東京在住)は、 国は外国籍住民の徹底的な管理監視体制を整えたと説明した。日本社会の治安確保が主な理由として挙げられているが、その間超過滞在者に対する取り締まり強化で日本の治安が良くなったのかと問い掛けた。国は在留期間の上限を3年から5年に延ばしたと言うが下限は3カ月に縮められたと指摘。国が外国人情報を一元的に管理する事で超過滞在者を減らすことが狙いだ。しかし67,000人の在留資格がない人々が教育、医療等から排除され生存権を奪われる問題を孕んでいると指摘した。
日本国民を対象にした戸籍法・住民基本台帳法と決定的に違う点は、①顔写真の他、勤務先など数多くの登録事項を義務づけている事②外登証の常時携帯と定期的な確認登録が義務づけられている事③これらの義務規定を刑事罰によって強制している事。である。居住地変更の手続きを14日以内にしなかった場合、罰金20万円他(日本人は過料5万円のみ)90日超過すると在留資格剥奪し強制送還することも可能。特別永住者証明書や在留カ-ドの提示、携帯義務違反に1年の刑罰があり、警察が任意同行や別件逮捕をしやすくするものだと批判した。
当実行委員会は3年前に法案が成立した時にも反対と抗議の集会とデモを行った。日本に滞在する外国人住民について、これまでは法務省入国管理局が出入国や在留期間の情報を、各自治体が居住地や世帯等の情報をそれぞれ管理していた。自治体は在留資格の有無に関わらず 行政サ-ビスを行ったが新制度によって立ち切られた。在留外国人住民の中には、新制度移行を知らないまま違法状態に陥るケ-スが予想される。昨年末時点で外国人登録者数は約208万人だが、彼らの人権保障が懸念されるのが現実である。(報告/朱文洪)