世界改革派教会共同体(WCRC) 東北アジア部会(NEAAC)報告
去る1月31日より2月2日にわたり、台湾のシンチュに所在する長老聖書神学校を会場として、世界改革派教会共同体(WCRC)東北アジア部会(NEAAC)神学協議会、および総会が開催された。
この度のNEAAC会議は二つの点において大きな意義を持つものであった。
まず第一に、これまでの世界改革派教会連盟(WARC)が、もうひとつの世界組織であった改革派エキュメニカル教会協議会(REC) と合併され、世界改革派教会共同体となって初めての東北アジア部会総会であったということ。
第二は、 この度の東北アジア部会に初めて中国キリスト教会香港協議会(HKCCCC)が正式に加わり、代表者が教団のプロフィールを紹介したことである。
96年以来、東北アジア部会の核的な存在として台湾長老教会(PCT)から、東北アジア部会の議論においていつも中国からの台湾独立問題が提起され、極めてデリケートな問題として慎重な議論が行われる時期もあったことを考えると、NEAACはこれから新たな重い課題に臨もうとしていると言える。
香港はまた、台湾とは違った意味において自らのアイデンティティー問題をめぐり苦闘してきたのである。そのような歴史的背景を背負う中国キリと教会香港協議会が東北アジア部会に加わることによって、いよいよ中国側のキリスト教協議会との接点を模索する歴史的段階を目前に控えることになってきたのである。NEAACの険しい道の始まりとも思われるが、しかしここにまた、国家と民族の隔てを越えて、福音が地の果てまで宣べ伝えられんとする神の宣教(ミッシオ・デイ)が生きて働いていることを信じ、NEAACは、祈りをもって主の御後に従おうとしているのである。
神学協議会のテーマとしては、この度、グロール資本主義と環境破壊に対する教会の宣教的責任と課題が取り上げられ、台湾からは、中国経済との関係深化と共に台湾の自然環境がいかに破壊され、大規模災害を誘発しているかが雄弁に語られた。また、韓国側と日本側(日本キリスト教会<CCJ>の藤森義光長老)からは期せずしてどちらからも福島原発事故・「原子力平和利用」神話とテクノロジー礼賛文明についての神学的批判が展開された。
この度のNEAAC総会においてはまた、役員改選がなされ、日本側から会長、書記、会計が推薦、選出されることとなり、会長として、CCJ柏木教会の藤森義光長老が選出され、また、書記として在日大韓基督教会(KCCJ)から許伯基牧師(つくば東京教会)、会計として李明忠牧師(横浜教会)が推薦され、承認された。二年後には、日本において東北アジア部会神学協議会・総会が開催される予定である。(報告 金性済)