全国の5地方会において定期総会が開催されています。
今年からは、それぞれの総会の場に総会長をはじめ、任員及び総幹事が総会長挨拶(資料集からダウンロード可能)を通じて、総会における課題とビジョンをわかちあい、神の宣教に召し出されている在日大韓基督教会が、すべての教会の一致と和解のために立てられていることを信じ、感謝したいと思います。
2010年4月29日(木):関東地方会・西部地方会・西南地方会
2010年5月25日(火):中部地方会・関西地方会
総幹事 洪性完
総会長挨拶
在日大韓基督教会(以下、KCCJ)は、日本に併合される2年前の1908年を宣教起点とする合同教会であります。2010年は日本に強制併合された時点から100年になります。KCCJでは強制併合100年に至って、神学考試委員会と歴史編纂委員会とが、過去の私ども自身のことを振り返りつつ、「KCCJの立場表明」を書き表します。
日本の帝国主義時代、東京の留学生たちが東京朝鮮基督教青年会(1906年11月5日設立。現、在日本韓国YMCA)においてキリスト教信仰を支えとし、当時の学問習得のことを祖国の独立へと繋げていたことでしょう。その留学生の一部が1908年YMCAとは別に、教会形成による信仰生活のために集まり始めたのが、KCCJの母教会である東京(連合)教会であります。最初から超教派的な出発でありました。海外韓人教会としては類を見ない、本国の長老教会と監理教会の合同の働きに支えられた、特定の教派主義ではないエキュメニズム精神を受け継いでいる教会と言えるでしょう。
日本全国、北海道から沖縄に至るまで、(関東:33,中部:12,関西:29,西部:15、西南:10)99教会・伝道所を、実に多様な出身背景をもつ九つの教団において按手された111人(関東36・中部15・関西30・西部12・西南10・宣教師1・留学扱い7/そのうち無任所19)の教役者たちが仕えています。長老94人(関東26・中部8・関西37・西部15・西南8)。私たちKCCJのすべての教会・伝道所は、地域社会の中で主の福音をのべ伝え、またその生き方に倣いつつ、すべての教会の一致と和解のために呼び出されていることを、一時も忘れることはないでしょう。
また、日本の二つの教会(日本基督教団UCCJ・日本キリスト教会CCJ)、本国の七つの教会(基監KMC・基聖KEHA・基長PROK・大神PCKD・白石PGAK・統合PCK・合同GAPCK)とカナダ長老教会PCC・北米の三つの教会(米国合同キリスト教会UCC・米国長老教会PCUSA・米国改革派教会RCA)と二つの同胞教会(海外韓人長老会総会KPCA・米国長老教韓人教会協議会NCKPC)など15の教会と宣教協約関係にあります。4月12日には、本国大田の漢南大学校とも協定を結びました(第二回常任委員会2010.4.6.承認)。
宣教2世紀に向ける、宣教協約に伴う具体的な宣教協力の実質化のために、宣教協約教団と各地方会の教会が新たに模索し合う動きが活発になることを願います。
私ども在日大韓基督教会は、同胞社会と苦難の場に立つ教会として、この日本の地に残された者(イザヤ書6章11〜13、7章3〜4、10章20〜23、28章5〜6)として、その宣教の使命に目覚めなければなりません。私たちは在日大韓基督教会が多様性の一致に基づく教会であることを信じております。従ってその多様性の一致のため、その努力の一環として毎年「在日総会神学校」に委ねている「加入宣教師及び総会神学生研修」は、大事なことにもかかわらず、予算不足で参加者の負担と各地方会に助けられて行われている実情を訴えなければなりません。
そして、第50回総会期には第一に、次のような課題とビジョンをもまた、五つの地方会と共に担っていることを覚えたいと思います。
1)無任所教役者 関東6・中部3・関西8・西部1・西南1=19人(伝道師2人含む)。留学扱い7人(伝道師3人含む)まで合わせると、26人であります。どうして放置したままになっているのか、その対策について論議が必要です。
2)総会宣教負担金及び地方会負担金
(1)宣教負担金未納金(2003年〜2009年まで¥10,609,130)について
深刻に受け止めなければなりません。個教会が困難な状況下にあるという
事情を問う以前に、未納金が予算の20%を越えるようになっていることは、共同体意識の欠如としか言いようがありません。
(2)現在、総会と地方会とに二分されている、負担金納入の窓口を一つにすることについて各地方会においても研究していただきたい。各教会の会計担当者の間の混乱が報告されています。
3)主日特別献金(伝道・母の・子供の・青年・平和統一・人権 主日)
(1)聖誕主日献金には、周辺に追いやられている人々や弱い諸団体などを助けるという重要な役割があります。
(2)何よりも主日特別献金の使われ方が明確であり、各機関(大阪 KCC・西南KCC・RAIK・在日総会神学校・全国教会女性連合会・全国 青年連合会)及び委員会(七つの常設委員会・四つの特別委員会)がそれぞれ予算額を越え出るような目的に対し、確かな計画を立てた場合に限り、主日特別献金が使い当てられるようにして行くべきでありましょう。
(3)しかし、その実行結果をホームページまたは福音新聞を通じて透明に報告すべきであることは言うまでもありません。各教会の方では、特別献
金の枠付けを予算化しないことで、主日特別献金の意図が生かされるよう
に、協力と理解のことをお願いしなければなりません。
4)教役者年金
(1)改められようとする年金制度に対する理解が広まっておりません。年金委員会の方も、近い将来、独立した機関として成長して行くには、より
積極的な広報活動が求められることでしょう。教役者のいない教会・伝道
所の方でも一年決算額の1%を年金負担金として負ってこそ、年金制度が
きちんと運営されることを理解していただかなければなりません。
(2)どのような規模の教会にて定年の勤めを終えたにせよ、その教役者が視務年数に合わせて年金支給を受けるには、全国のあらゆる教会・伝道所が欠かさず年金制度に参与せねばなりません。多様性の一致を目指すゆえの、配慮し合う努力がなお求められます。
5)在日総会神学校
定期総会の度に持ち上がる、(教職養成の)神学教育に対する憂いを込めた疑問の声に対してより具体的な返事が必要になるしょう。神学校の理事会と教授会の方では、より創造的な論議が進められるよう、お願いしたいと思います。
(1)1996年秋開校した「在日総会神学校」への負担金の納入が進んでおりません。
(2)牧師按手及び宣教師加入の5年次に向け、継続教育プログラムの運用を考慮。
(3)被択長老の教育プログラム、各地方会において同様に運用されるように工夫を重ねてほしい。
(4)伝道師及び「総会神学生」の牧会実習課程をどう運用せねば。
総会神学校を卒業した学生(招聘がない場合)を各地方会に於いて各3カ月(5×3=15ヶ月)を実践教育するという総会神学校からの要請があります。
(5)「加入宣教師及び総会神学生の研修」プログラムのことについて、「加入宣教師」と「総会神学生」を分ける方向で検討したら。
6)総会ホームページの活用
(1)ww.kccj.jpを通じて総会及び地方会の知らせなどの連絡事項を増やしていくつもりであります。各地方会、各機関の活動及び広報に活用していただきたい。
(2)すべての教役者へのメールアドレス発行(例え;◯◯◯◯@kccj.jp)によって連帯意識が高められ、と同時に紙の消費をできる限り減らしていけると願っております。従ってCO2削減にも。
7)福音新聞
(1)福音新聞の形態を変えて(A3 3枚横書き)発行します。第50回総会期第二回常任委員会(2010.4.6.大阪KCC)にて承認されました。準備に当たっています。
(2)より愛され求められる福音新聞として生まれ変われるように、各地方会では編集部と協力し、より活用し得る方案を模索していただきたい。
8)日本宣教セミナー開催
本国及び海外において「日本宣教セミナー」を定期的に開催し、日本への宣教を志す人や団体に対し、正しい情報が伝えられる場を設けてまいりたい。
何よりも、主にあって( )地方会 ( )回定期総会の上に、神の驚くべきみわざを伴う祝福と導きがあるよう、願いつつ、これからもなお緊密な協力関係が築き上げられるよう、努力を惜しまない覚悟であります。
2010年4月29日
在日大韓基督教会
総会長 崔栄信 牧師