在日大韓基督教会「ウクライナのための祈り」
正義と平和の神、主よ、
あなたは貧しい者、虐げられている者の叫び声に耳を傾けられます。
主よ、今、ウクライナの地で苦しんでいる人々に目を留めてください。平穏な生活を送っていた街が戦場となり、昼夜砲撃と空爆による轟音が響き渡っています。戦いとは無縁だった人たちまでもが怯えながら戦場に立っています。多くのいのちが失われ、その度に悲しみと憎しみの波が大きくなっています。
主よ、今、両国の指導者たち、国際社会の指導者たち、全世界の人々の心に働きかけてください。「正義」の実現という名目があれば暴力も許されるという誤った考えから離れさせてください。自分だけの「平和」ではなく、すべてのいのちの平和を求めさせてください。主が造られたいのちに満ちたこの世界で、共に生きるために真剣に話し合う勇気と知恵をください。
主よ、今、いのちを脅かされ、国を追われた多くの難民を覚えてください。多くの近隣国が彼らの痛みに共感し、受け入れと支援が進められていることを感謝します。しかし同時に、国境を渡るという決断が決して簡単なものではないということを覚えます。いつ帰ることができるのか分からないまま家を離れる彼らの悲しみと不安にあなたが寄り添ってください。
主よ、今、様々な事情のために戦場を離れたくても離れられない人たちがいます。難病を抱える子どもや老人、新生児や妊婦、彼らのための医療従事者たちが、地下に身を潜め、戦争が終わることを祈っています。ウクライナで外国人として生きている人たちが自国に帰る手段が見つからず、不安の中で過ごしています。過酷な状況の中で生きるために懸命に耐えているその現場に主が共にいてください。
主よ、今、いのちを奪う道具として戦場に立っているロシア兵とその家族のために祈ります。上からの指示だけでなく、自分の目の前にあるいのちと向き合う力を与えてください。 国家の「正義」がいのちよりも重いという考えから離れさせてください。彼ら一人ひとりもまた、あなたによって造られた尊いいのちであるということを忘れないようにしてください。
主よ、今、何が起きているのかを伝えるために自ら危険に身を投じているジャーナリストたちがいます。彼らのいのちを守ってください。彼らの言葉が世界に与える影響について責任を持ち、誠実な報道ができるよう知恵を与えてください。彼らの働きがすべてのいのちの平和を実現するために役立てられるよう導いてください。
主よ、この悲劇は決して「彼ら」だけの問題ではなく、私たちの共同体や国もこの葛藤の深いところでつながっていることを覚えます。彼らと私たちを分けるのではなく、「喜ぶ人と共に喜び、悲しむ人と共に悲しむ」ために私たちが今できることを求めさせてください。 主イエスが十字架の道を歩み通されたように、あなたの平和をつくる者として私たち自身を捧げさせてください。
主イエス・キリストの御名よって祈ります。アーメン。
■添付ファイル:ウクライナのための祈祷文14-55-48.pdf