- HOME
- |
- Contact Us
- |
- Sitemap
- |
＜2014年 聖誕節メッセージ＞
「クリスマスの第一発見者」（ルカによる福音書２：８～12）
中江洋一牧師（広島教会）
クリスマスは、誰のためのものなのでしょう？
クリスマスって、全世界の救い主がお生まれになったってことですから、それこそ大きな出来事です。それが最初に誰に伝えられ、誰がそれを発見したのかが、大きな意味を持っております。だって、私たちも何か嬉しいことがあったとき、あるいは悲しいことがあった場合でも、それを一番最初に伝えたい人、一番最初に見てもらいたい人、一番最初に駆けつけてきてほしい人がいると思います。一番大事な人に、一緒に喜んでほしい人に、最初に伝えたい、自分に起こったことの第一発見者になってほしい。それはごく当たり前の感情です。ましてやこのクリスマスに起こっていることは、新しい命の誕生です。私が親になった時もそうでしたけれども、その新しい命の誕生を、これはやっぱり一番大切な人に、一番それを喜んでほしい人に、最初に伝えたいのです。
神さまにも主イエスの誕生を最初に伝えたい、生まれたばかりの主イエスの姿を最初に見せたいと、そう思う人がおりました。それがクリスマスの第一発見者たちです。
マタイによる福音書の第一発見者というのは、遙か遠い東の方から来た学者たちでした。
彼ら学者たちの一番の特徴は、彼らが外国人であったということです。イエスさまの母マリアや父ヨセフもビックリしたと思います。「誰なんですかこの人たちは？」という感じです。目の前にいる学者たちは、もう完全に外国人なわけです。言葉もちゃんと通じたかどうか分かりません。マリアとヨセフにとって彼らのような外国人を見るのは、たぶん生まれて初めてです。それがいきなり出産の現場に来る。そしてその学者たちは、これもおそらく見たこともないような、黄金、乳香、もつ薬を差し出して、生まれたばかりの赤ん坊に向かってひれ伏すわけです。当時のユダヤ人たちは、外国人は救われない。自分たちが信じている神さまとは関係がない、と思っていました。しかし目の前で、まさにそういう人たちが神さまを礼拝しているのです。誰も想像だにしなかった第一発見者です。
そしてここに、イエス・キリストの誕生の意味や目指しているものが示されています。主イエスの誕生は、遥か地の果てを目指し、そしてそこに届いていたのです。
また、ルカによる福音書にも第一発見者がいます。それは羊飼いたちでした。
草を求めて四六時中、野原を絶えずさまようのが、彼らの生活でした。安息日を守ること、会堂へ行って神さまを礼拝しに行くというのが、ユダヤ人の社会生活の常識であり中心でした。それができない羊飼いたちは、社会からはじき出されていました。そして当然、彼らは神さまとも無縁でした。貧しさゆえに供え物も捧げられない彼らは、かえって神さまを侮辱する罪人だとして、人々から軽蔑されていました。人々からも神さまからも捨てられていたのが、彼らでした。
けれどもその彼らに、ルカによる福音書では、一番最初にイエス・キリストの誕生のニュースが知らされました。天使は羊飼いたちに現れて言いました。「今日ダビデの町で、あなたがたのために救い主がお生まれになった。」これを聞いた羊飼いたちは急いで馬小屋の、その飼い葉桶に寝かされている赤ん坊のもとに駆けつけました。ほこりまみれの羊飼いたちが、どやどやとやってくる。そして、イエスさまを見て、天使の言った通りだったと言い合っている。マリアとヨセフの夫婦は、思わずキョトンとしていたと思います。
けれども、羊飼いたちのテンションは高かった。彼らは喜んで帰って行きました。だって、彼らは神さまとは無縁の存在だったのに神さまは見捨てていなかったのです。ちゃんと見ていてくださいました。あなたがたのための救いがここにあると、あなたを救うための救い主がここに生まれたのだということを、神さまは彼らに確かに見せてくださったのです。
この二種類の人たちを第一発見者とすべく、そこを目指して、実はクリスマスは起こりました。クリスマスが目指しているターゲットは、この第一発見者たちです。そして、私たちもこのクリスマスの第一発見者になれるのです。
皆さん、神さまは、クリスマスの祝福を皆さんお一人お一人にも、伝えようとされています。だからこそ、この私たちも、神さまの御言葉を聞いて、クリスマスは自分のためにあったんだと喜ぶことができるのです。
