マイノリティ宣教センターの歩み
マイノリティ宣教センターを支えてくださっているみなさんに感謝申し上げる。国内外の教会、団体の支援を受けて、センターは4月に開所して以降、A:人種主義とのたたかい、B:ユース・プログラム、C:和解と平和のスピリチュアリティ開発、D:内外への発信の4つの活動の柱を軸に事業を展開してきた。
センターは、ヘイト・スピーチに抗う市民活動に連帯する活動をおこなったほか、在住外国人の人権を擁護するための院内集会や研究会に参加してきた。また、さまざまな宗教者が協働して平和を構築するための「宗教者平和ネット」などのエキュメニカルな平和活動にも積極的に参与してきた。
ユースを主体とした活動としては、月一回のカフェを開き、非暴力、学術人類館など、マイノリティと暴力をテーマとした学習を深めてきた。9月に大阪で開催した第一回マイノリティ・ユース・フォーラムには、フィリピン、韓国をはじめ内外の青年約20名が集い、大阪の近代化の中で労働力として動員されたマイノリティの生活史を学ぶために、沖縄人の集住地域である大正区とコリアタウンのフィールドトリップをおこなった。また朝治武さん(大阪人権博物館館長)からは被差別部落出身者の歴史と体験について、金耿昊さん(横須賀教会、日本の近現代史研究者)からは、1903年に起きた「人類館」事件について学んだ。新しく試みた演劇ワークショップを通して参加者は、見聞きして学んだ事柄を、表面的な言葉だけではなく身体全体を通して表現する共同作業を通して、学びを立体化した。さらには、ドイツのNPO『顔をみせろよ』が開発した人種主義について考察するカードゲーム『白人はラップができない』の体験もし、日本の様々な状況で差別をどう考えていくのかを学んだ。この教材は、フォーラムに参加した青年たちの発意により、センターで日本版を開発するプロジェクトが立ち上がった。
差別を克服するための学びを、聖書や信仰と結びつけるために、センターでは、現場から聖書を学ぶ「聖書セミナー」と、祈りやダンス、演劇、ゴスペルなど、さまざまな身体表現を通して、多民族・多文化共生を体感できるような場としてのエキュメニカルなフェスティバルを開催する予定である。
個々のイベントや活動については、今後も、facebookやホームページで積極的に情報を発信していく。小さくされた者を愛する主の宣教を、この地で、豊かに実らせるセンターの活動を、今後も支えてくださるよう、切にお願いしたい。<マイノリティ-宣教センター>